【心霊スポット】かなりヤバイ噂の公衆便所~八幡市学校跡地【実話怪談】(1980年代)

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八幡で噂の心霊スポット、ヤバイ公衆便所。

このお話は、ネット上でもチラホラと語られている八幡市で噂になった心霊スポットです。
当時から40年近くもの時が過ぎ、話に尾ひれが付いて都市伝説となっているようです。
しかし怪談という物は、逆に「噂に尾ひれが付く前の実話」の方が怖い場合もあります。
今回は、実際にあったその手の怖い話を書き綴ってみます。

1.八幡市学校跡地の公衆便所で起きた幽霊の噂

小学生の頃、キャプテン翼や釜本選手などの影響で、全国的なサッカーブームの渦中にありました。
その大衆ニーズにより、八幡市にもサッカースクールが開設されたので、私も入っておりました。

八幡市の怖い話の公衆便所

練習場所は、山に面した「おっちゅう跡地」と呼ばれる校舎跡地を利用したグラウンドでした。

そのグラウンドの中に、ポツンと建っていた古い公衆便所
まだコンビニが身近ではなかった時代ですので、みんなその便所を利用しておりました。

サッカーの休憩タイムには、みんなでグラウンドの木陰に集まり、監督を中心に座り、水筒のお茶を飲みながら雑談します。

ある日、チームの一部の子達が幽霊の話で盛り上がっていました。
当然みんな興味津々で、休憩タイムにその話している子達を中心に囲んで話を聞きます。

このトイレで幽霊が出たらしいねん!

そのヤバイ怪談を持ってきた奴は、同級生のカナメでした。
そして私もその怖い話を聞くことにしました。

 

2.深夜の不気味な古い公衆便所

カナメには、高校生の兄貴がいました。

この数日前、カナメの兄貴は夜のバイト帰りにここを通ったそうです。
この山に面したグラウンドの前には、古い町家の並ぶ狭い道路があり、街灯も薄暗い。
京都市内のような町屋ではなく、当時の八幡のこの場所は、ただただ古びた不気味な通路でした。

公衆便所自体、便利な反面、深夜に一人で入るのはちょっと遠慮したい異質な空間です。
ましてやそんな古い公衆便所です。
入るというのは、大人でもさすがに怖いですよね。

八幡市の怖い話のトイレがある学校跡地

しかしカナメの兄貴はお腹の調子が悪くもう限界になり、このトイレを使うことにした。
もはや怖いとか言っている場合ではないほどに、かなり切羽詰まっていたのでしょう。

自転車で空き地に乗り入れて、その公衆便所の前に停めます。
薄暗い灯りだけが付いている入り口を、ささっと早歩きで入って行きます。

日本の公衆トイレは、今でこそ清掃員さんにより清潔に保たれておりますが、当時の公衆便所はほとんど放置状態の施設が多かったのです。

材木とコンクリートで作られたその便所は所々が朽ちていてボロボロで、落書きだらけでした。

八幡市の怖い話のトイレ

トイレの中には、やはり誰もいなかったようです

このトイレは一番手前の個室だけ故障の張り紙があり、ドアは打ち付けで封鎖されていました。
限界だった兄貴は、その張り紙のあるドアを横目に見ながら通り過ぎて、隣の個室へ入りました。

なんとか間に合って無事に用を足し、ふうっと落ちついた。
落ち着いてみると、今度は急にシビアな現実が見えてきます。

そう、深夜の古い公衆便所に1人で居る今の自分の状況はかなり怖い。
長居は無用だと思い、個室から出ようとカギを解除します。

ところが、なぜかドアが開きません

3.トイレのドアが開かない

古いので、建て付けが悪いのだろうと思い、体重を乗せて押してみたりしますが、なぜか開きません。
こうなると、さすがに急激に怖くなってきました。
兄貴はドアに向かってショルダータックルをしますが、それでも開きません。

個室のドアといっても、木枠に合板を取り付けただけの、よく見る一般的なそれだ。
それがどう見てもカギは解除されているのに、体当たりで開かないのです。

八幡市の怖い話にあるトイレの開かないドア

これはいよいよおかしいと思った兄貴は
ドアをぶち破ろうとガンガンと前蹴りをします。

恐怖から、もう必死で無茶苦茶に蹴りました。
すると、なにかつっかえていた物がバキッと外れた感触と共に、ドアは勢いよく開きました。

個室から出てみると、床には木材が落ちてます
板には釘が刺さってあり「蹴っ飛ばした勢いでドアが壊れた」のかと考えました。

もうトイレから早く立ち去りたいが、一応、蹴り開けたドアを確認します。
ところが、ドアは特にどこも壊れていませんでした。

これはおかしい。

ではこの破損して散らばった木材は何だろう?ということになります。
そう思って周囲を見渡す兄貴は、恐ろしい事実に気がつきます。

 

4.使用禁止の個室トイレ

なんと、兄貴が入っていた個室のドアには、あるはずのない「使用禁止」の貼り紙が貼ってありました。
つまり、この散らばった木材は、ドアを封鎖する打ち込み板だったということです。

いや、そんなバカな事があるわけがない。

確かにトイレの入り口から入って、1つ目の個室が使用禁止だったので、兄貴はその隣の個室に入ったはずなのです。
しかし今、目の前にある状態は、1つ目の個室は使用禁止の貼り紙がありません。
兄貴が入った2つ目の個室が使用禁止になっているのです。

これはどういう事だ?自分が何か勘違いしてるのか?
いや、そもそも打ち込みで封鎖されている個室の中に自分が入っていた時点でおかしい。

5.トイレの奥からこちらを見る者

半ばパニックの兄貴はもう訳がわからず、恐怖に息を荒らげながら出口へ向かいます。
そして1つ目の個室を通り過ぎた瞬間に、背後に何か嫌な気配がしてビクっとします。

確実に、後ろに何かいる。

兄貴は、恐る恐る後ろを振り返ると、そこには・・学生服を来た少年が、真横の状態でこちらを見ていました。

 


八幡市の古いトイレに出る学生の怖い話

カナメの持ってきた話は、ここまでとなります。

さすがにこれは、小学生の私達には刺激の強すぎる怖い話でした。
興奮して質問攻めする子、青ざめてうずくまる子。
そのリアルな実話怪談は、当時その場で聞いていた子にとって一生忘れられない怪談になったかと思います。

この噂は、またたく間に八幡の学校に広がりました。
そして現在でもこのトイレは、ネット上などで様々なパターンが語り継がれております。

しかし私の記憶の中で、どうしても引っ掛かっている事があるのです。

6.気味の悪い記憶

このトイレの個室は、壁と言う壁が落書きで埋め尽くされている状態だったのですが、私はカナメからこの怪談を聞く以前に気味の悪い落書きを見たのです。

それは一番奥の個室の中の壁なのですが・・
学生服を着た真顔の男子生徒が、真横に描かれていたのです。

私はあまりに怖くて誰にも言えませんでした。

そして、サッカースクールの誰もこれに気づいていなかったのか、誰もこの話をしていませんでした。

カナメの兄貴が見た、学生服を着た真横になった少年と、あの気味の悪い落書きとは何か関係があったのでしょうか。
今となっては、私にそれを知る術はありません。