【実話怪談】踏切事故の断末魔~八幡市橋本駅踏切(1980年代)

八幡市の橋本駅の踏切で起きた怪談

踏切事故の断末魔。

私達の生活圏には、あちこちに電車の踏切があります。
そこはいかなる安全装置を取り付けても、未だ悲しい事故は絶えません。
今回はその昔、八幡市橋本駅の踏切で起きた恐ろしい話を綴ってみます。

 

1.橋本駅の踏切事故

八幡市の橋本駅付近に、かつて小さな踏切がありました。
その頃は、橋本駅の方へ向かう鋪装道路が竹藪に突き当たっておりました。
その竹藪には通路が続いているのですが、車の通行は出来ません。

百メートル程度の竹藪を抜けると、例の「橋本駅の踏切」がありました。
利用者も少ない田舎の小さな踏切を想像すると、しっくりと来るかもしれません。

 

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そんな橋本駅の踏切で、今から40年近く前に酷く痛ましい事故がありました。

ある小学生の少年は自転車で竹藪を抜けて、その踏切に差し掛かりました。

京都府八幡市の橋本駅にある踏切



ところが少年は渡る際に、足が線路の隙間に挟まって抜けなくなりました。

現在日本にある踏切では、恐らく足が挟まるような形状にはなっておりません。
しかし当事の踏切はそういった安全面はまだ深く考慮されておらず、子供の足が入ってしまう程度の隙間があったと考えられます。

更に運が悪いことに踏切が鳴りはじめて、遮断機が降りてしまいました。

この時たまたま付近に人が居たらしく、事態に気付いて駆け寄ります。
恐らくは非常停止ボタンを押したと考えられますが、もはや間に合いませんでした。

この人は、少年の断末魔を聞いたそうです。

まだ死にたくないよ!

噂で聞いただけでも胸が痛くなる、とても悲しい事故でした。

2.踏切の心霊現象の噂話

それから数年後、私が高校生の時の事でした。

この町に住む私の友人、タカヒト君と久しぶりに会いました。
タカヒト君は、たまたま私の近所に来ていたので、私に会いに来てくれました。

その時に、例の踏切の話になりました。

その踏切は、事故当時とはすっかり変わっていました。
まず、竹藪は全て伐採されて、広い道路が開通し、合わせて踏切も大きく改築されていました。

しかし、不穏な噂が回るようになったらしいのです。
その噂によると、踏切を渡る時に「まだ死にたくない」という少年の声が聞こえるそうです。

あの痛ましい事故からもう何年も経っておりますが、明らかにその事故にあった少年の話かと思われます。

私はタカヒト君に、「嫌な作り話やな」と言いました。
すると、タカヒト君は眉間にシワを寄せて、こう言いました。

確かに作り話だとしたらセンスが悪い。でもこの話はちょっと怖いよ

この時タカヒト君が低い声で語り始めた内容に、私は驚くことになります。

3.踏切に自転車で突っ込んでしまった弟

タカヒト君には2歳年下の弟、ヒデト君がいます。
その日、ヒデト君は友達の家につい長居してしまい、すっかり真っ暗な帰り道を、自転車で急いでおりました。

帰りには、例の踏切を通ります。
広い鋪装道路に合わせて改築されたその橋本駅踏切。
車も頻繁に通るようになったのですが、夜は人も車もほとんど通りません。

八幡市の橋本駅の踏切で起きた怪談

その踏切に差し掛かると、警笛が鳴りはじめました。
しかしまだ遮断機が降りて来ていない。

ヒデトにとっては、馴れた踏切です。
危ない事に、自転車で突っ切れば間に合うだろうと思い、自転車を漕ぐペダルに力を入れます。

ところがタイミングを見誤り、入る前に踏切が降りてきたのです。
凄い勢いで漕いでいた自転車はもう止まりません。
なんとヒデトは、一か八かそのまま踏切へ突っ込んだのです。

4.踏切の少年の声

踏切に突っ込んでしまったヒデト。
しかしもう全然間に合っておらず、入り口の遮断機で頭を打ちそうになりました。
遮断機の閉じてしまった踏切に浸入してしまったヒデトは、慌てて自転車を降りて、遮断機を持ち上げて出ようとします。

その時でした。

ヒデトの耳元で、人の声が聞こえたのです。

八幡市の橋本駅の踏切で起きた怪談

それも怪談の噂にあったように、少年の声だったのです。
ゾクッとして振り替えると、そこには誰もいるはずがありません。

さっさと踏切から脱出すると、間もなくして電車が通過しました。
なんとか事なきをを得ましたが、今の声は何だったのか。
その声の「噂話」を知っていたヒデトは、今まさに自分がその噂話を体験したわけです。

慌てて自転車に乗り、立ちこぎで帰路へ向かいます。
まださっきの声の感覚が残っていて、背中がゾクゾクするので、時折振り返りながら自転車をこぎました。

5.家中に鳴り響く悲鳴

家に着いたヒデトは、自転車を置くなりダッシュで玄関に入りました。
玄関の明るい照明に、ヒデトはほっとします。

しかしあの耳元の生々しい声が残っています。
早く家族に話して、安心したい。

ただいま!

ヒデトはとりあえずトイレへダッシュしました。

この時、兄のタカヒト君は二階におりました。
そして、家中に響く「ヒデトの悲鳴」に、慌てて一階へ降りました。

タカヒト君が降りた時には、両親も駆けつけており、ヒデトはトイレの前でお父さんにしがみついて、泣いていたそうです。

ある部分、兄よりも大人びたしっかり者の中学生ヒデト。
そのヒデトがこのような状態になるのは、家族としては衝撃の出来事でした。

家族は皆でリビングへ移動します。
これはただ事ではありません。
お母さんがお茶を入れて、ヒデトが落ち着いてから話を聞きました。

6.ヒデトが見たもの

ヒデトはお母さんの煎れてくれたお茶をすすり、気を落ち着かせました。
そして踏切での出来事から順を追って話しました。

まず、家に帰ってすぐにトイレへ走りました。

トイレから出て手を洗う際に、洗面台の鏡を見ると、、

なんとヒデトの背中に少年がしがみついていたそうです。

八幡市の橋本駅の踏切で起きた怪談

にわかに信じがたい話ですが、ヒデトはとても冗談を言っているような状態ではなかったことから、家族は深刻に捉えました。
翌日、家族で近くにある高名な神社へ行って、お払いをしてもらったそうです。

そしてこれが事実であったとすれば、ちょっと体験したくない恐ろしい怪談です。

しかしこの話には、ひとつ噂話と違う点がありました。

まずこの橋本駅の踏切では、過去に小学生が「まだ死にたくないよ」という断末魔と共に電車に轢かれたと言われている、痛ましい事故がありました。
そしてその踏切では、今でもその悲痛な断末魔が聞こえるというのが心霊の噂話です。

ところがです。

あの時、ヒデトの耳元で聞こえた少年の声は、このように囁いたそうです。

なんで助けてくれへんの

果たしてヒデトが聞いたこの声は、言葉通り少年の霊がヒデトに助けを求めていた、という事でしょうか。

 

それとも・・