【実話怪談】戦慄のマルチバースを主張する姉妹~枚方市某デパート(1980年代)

昭和京都の怪談綴りによるマルチバーストの異世界

神隠し。

ある日忽然と人間が姿を消すという、いわゆる「神隠し」という現象があります。
そして帰ってきた人は、こことは違う世界を見てきたと言います。
並行世界、マルチバースは存在するのでしょうか。
今回はその昔、この区域や京都近郊にまで新聞でも掲載された怪談、枚方の不可解な行方不明事件を綴ってみます。

1.枚方市の仲良し姉妹が語る恐怖の体験談

記憶では、日本中がポートピア博覧会で盛り上がっていた頃だったと思います。
私の地元近くの枚方市で、ある不可思議な話が回りました。
隣街の高校生の仲良し姉妹が、休日に出掛けたっきり行方不明になり、一週間後にデパートのトイレで保護されました。

昭和京都の怪談綴りによるデパートのトイレ

発見された当初二人とも衣服はボロボロで、抱き合って震えていたと言います。
幸い大きな外傷などは特に無かったのですが、何を聞いても会話が成り立たない状態にありました。

どうやら二人とも自律神経をやられていたようで、精神科のほうへ搬送されました。
二人とも全てに怯えており、抱き合ったまま離れたがらず、二人一緒のベッドで入院させるという特別措置が取られたと聞きます。

姉妹は少しずつ平静さを取り戻して、話が出来るようになります。
しかし、枚方市の仲良し姉妹が話したその内容はとんでもない恐怖の体験談だったわけです。

2.いつもの日曜日から不可思議な話へ

事件当日の朝。

天気の良い日曜日だったので、仲良し姉妹はデパートへ買い物に出掛けました。
私の記憶が正しかったとすれば、そのデパートは欧風形式を取り入れた巨大ショッピングモール内にありました。

二階のあちこちにアーケードと同化した小橋が掛かっており、各デパート同士が繋がっているという当時では斬新な構造でした。
姉妹はワイワイと喋りながら、ショッピングモールの中心部へと歩いて行きます。

日曜ということもあり、買い物客で溢れかえっており、二人は流れに任せて歩いて行きます。
そしてアーチ状の小橋をくぐったその瞬間でした。

突然、二人の耳元で「ヴェン」という音が聞こえました。

二人とも会話が止まり、はっと周りを見渡すと、 なんと今までたくさん居た人達が、誰もいなくなっています。
実に不可思議な話ですが、どこを見渡しても前にも後ろにも誰もいないのです。

 

3.廃墟に急変した奇妙な枚方の街

状況が把握出来ない二人は「え?え?」と言いながらキョロキョロしていると、もう1つ、ありえない事態に気付きました。
デパートやアーケードなどはあるのですが、廃墟のようにボロボロになっていました。
周囲には何故かゴミが山積みになっていて、紙切れなどが風に舞っています。
建造物の位置関係などはいつもの見慣れた枚方の街ではあるのですが、完全に廃墟の街なのです。

昭和京都の怪談綴りによる異世界の廃墟

もう怖いなんて騒ぎではなく、どうしていいのかわからない二人はとりあえず来た道を戻ろうとしました。

そして振り替えると、たくさんの人が歩いてきています。
みんな民族衣装のような奇妙なローブを着て、手にキャンドルを持って歩いてきました。
これは絶対に危ない、誰でもそう思うでしょう。

もう前に進むしかないので、姉は妹の手を引っ張って走ります。
二人は悲鳴をあげずに堪えながら、無言で走る。
必死で走っている途中に、あちこちの通路から同じ服装の人達が出てきます。
逃げ道が一本しかないこの時点で、誘導されている感覚になってきますが、走るしかありません。

4.サグラダファミリアに似た不気味な建造物

その先にあるはずの大きなデパートが近付いてきた時に、更に異変に気付きました。

お姉ちゃん、何あれ?

本来あるはずの大手デパートの場所には、巨大な教会のような不気味な建造物があったそうです。
聞いた話からすると、サグラダファミリアのようなイメージかと思われます。

tabijikan.jp


何かの教徒らしき集団が、あちこちから迫って来ている状況で二人はその建造物に入る他に逃げ道はありませんでした。

このあと姉妹が語った、教会のような建造物に入り、中で逃げ回った恐ろしい話がたくさんあるらしいのですが、残念ながら私が聞いた怪談はここまでとなります。
正確には、逃走劇に関しての情報の断片を繋ぐことができませんでした。

最終的に姉妹は一週間後にデパートのトイレで保護されているので、「逃げ延びた」ということですが、「こちらへ帰って来れた」から保護された、という事実でここは繋がります。
どちらにせよ、体験した本人達からすれば気が触れてしまうような怖い話だと思います。

 

5.マルチバース、説明のつかない事実関係

ここまで行くと、現実逃避を試みた姉妹の狂言だったという事で処理されるのは想像に難しくありません。
しかし、この事件が噂になった原因である不可解な部分は、姉妹の目撃情報はゼロだった事です。

それも、このデパート内外や近辺どころか、行方不明中の一週間、捜索されていたにも関わらず、だれも姉妹を見ていないのです。
ボロボロの衣服でデパートに入る二人を、従業員すら見ていないまま、営業中のデパート内トイレで発見されたわけです。

姉妹は「パラレルワールドに入ってしまった」と主張しています。
もちろん当時の社会には、そういった話を受け入れる準備はありません。
それは京都だろうと首都圏だろうと、その解釈は同じです。

マルチバースといった定義などが大真面目に研究され始めた現代に置きましても、この姉妹のような主張を公的機関が公に調査するという事はありえません。

しかしこの事件の事実関係と実際の顛末には、私が知り得る範囲だけでも説明がつかない部分があまりに多く、いわゆる警察のXファイル的な書類に残されているんじゃないかな・・などと想像しております。

6.枚方市近郊の方、情報募集

あれからもう30年以上経った現在、この姉妹はどうしているのでしょうか。
とても強烈な怖い話であるにも関わらず、数ある実話怪談の中でも記憶に情報が少なく、しかし単なる都市伝説ではなく事実である可能性の高いお話です。
姉妹にお会いすることが出来れば、現在の見解を聞いてみたいのですが、、現実にそれが叶う可能性はほとんどないかと思われます。
しかし情報の断片を集めることは出来るかもしれませんので、当時、枚方近郊にお住まいだった方からの情報を募ります。
■事件内容
・場所:枚方市全域(おそらくは京阪沿線デパート)
・時期:1980~1985年
・当時の姉妹:中高生
少しでもこれに近いお話をご存知の方は、些細な情報や薄い記憶でも結構ですので、下の当サイトお問い合わせフォームよりお願いします。

www.syowakyoto.com</