【実話怪談】危ない構造の家に住む家族~枚方市(1990年代)

首の折れた雛人形と伏見七狐

鬼門のある変な形の家。

縁起の良くない位置に扉や窓を設置する「鬼門」や、その方向に水周りを設置してはいけないなど、日本の建造物は古来より現在に至るまで、縁起を担いだような配置法則に従って建築されております。
しかし中にはその立地条件などの諸事情により、法則を満たせなかった縁起の良くないと思われる形状の建造物もたくさんあるのです。
では、そういった枚方の家で産まれ育った友人の怖い話を綴ってみます。

1.心霊現象の絶えない家

私が20歳前後の頃のバイト先に、背が高くておっとりした「のりちゃん」という女子高生がいました。
彼女はちょうどその頃人気のあった一色紗江に似ており、学校でもかなりモテていたようです。
私とは兄妹みたいな関係で、バイトが終わったプライベートでも互いの友達を連れて来たりと、よく一緒に遊んでいました。

のりちゃんは幼い頃からよく変な体験をする子で、色んな怖い話を聞かせてくれました。

その内容は様々で、なかなかゾクっとくるような体験が多く、階段の上に手首があった、1人で家にいると誰かに呼ばれる、階段の2階から知らない人が覗いているなど、当時でも「未だに時々体験する」というので、まさに身近で生々しい実話怪談でした。

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しかし、それもどうやら本人の霊感などといった物が強いというより、のりちゃんの「家」がおかしい。
本人は外で心霊現象を体験をするわけでもなく、その怪談の全ては、生まれた時から住んでいる自宅なのだそうです。

 

2.深夜3時の物音

ある夜、バイトが終わってからのことでした。
のりちゃんを車に乗せて適当に街を流していると「昨日の夜、まためっちゃ変なことがあってん」と、かなり気味の悪い話をしてきました。

彼女の話はこうでした。

いつも通り一階にある自分の部屋のベッドで寝ていると、物音がうるさくて目が覚めました。
枕元に置いていた時計を見ると、深夜の3時過ぎです。

物音がしているのは、お母さんの部屋からでした。
のりちゃんは気になったので、そのお母さんの部屋まで行ってみました。

部屋のドアを開けてみると、お母さんは電気を付けて、なにやら押し入れをごそごそ掘り返しています。
何をしているのか聞いてみると、お母さんはこう言うのです。

変な夢を見てなぁ。。

お母さんが話す夢の内容は、実に気味の悪い物でした。

3.悪夢の暗闇で迫る物体

お母さんは真っ暗闇の空間を歩いておりました。
どの方向も真っ暗で、手探りしても何もありません。

暗闇を歩く夢

しばらく歩いていると突然、遠くの方から何かが近付いてきます

暗闇で近づいてくる何か

ずっと見ていると、どうやら雛人形がこちらへ飛んで来ているのです。

闇の中で飛んでくる雛人形

闇の中で飛んでくる雛人形


近付くにつれ、それがどういった状態なのか徐々に見えてきます。


闇の中で飛んでくる雛人形

闇の中で飛んでくる首の折れた雛人形


なんとお雛様は、首が折れた状態でこちらへ迫ってきているのです。
最後に、ぶわっと目の前まで来て、お母さんはびっくりして目が覚めたそうです。


怖い話やけど、こんな時間に押し入れ開けなくてもいいやんか

のりちゃんの言い分は、もっともです。

いくら悪夢を見たからと言って、深夜3時に起こされたらたまったものではありません。
しかしお母さんが真剣に不安がっていたので、押し入れの奥にあるお雛様を出してみることにしました。

 

4.正夢となった心霊現象

二人は押し入れの奥の方にある立派な箱を出して、蓋を開けてみました。

なんと、夢の通りお雛様の首だけ外れて落ちていたそうです。

他人の私からすればかなり怖い怪談ですが、のりちゃん本人はこのような心霊現象には慣れていました。
家がおかしい」という話は前々から私も聞いており、何度かのりちゃんの部屋へ入ったこともあります。

「階段が13段ある」
「部屋の中に大きな段差が二つもある」
「玄関が不便な位置にあるため、のりちゃんの部屋のサッシが玄関になっている」
「水場の位置が悪い」

などなど、鬼門に触れる物ばかりだと主張していたのですが、実際家へ行ってみると全て事実でした。

なかでも、階段では昼間でも変な物を見るらしくて、慣れてはいるものの、それでも怖いのでなるべく二階には行かないそうです。

私はこの数年後に、のりちゃんのお母さんの不幸を耳にしました。
その時のりちゃんとは何年も疎遠で、人づての話だったので詳しくは聞けなかったのですが、お母さんは最後に精神的な要因で亡くなられたそうだ、とだけ聞きました。

お父さんはずっと遠くに単身赴任だったため、のりちゃんはそのまま家を出て独りで暮らすことにしたそうです。
その後、のりちゃんと会う機会はあったのですが、やはりこの話に触れる事は出来ず、彼女から語り始めるということもありませんでした。

彼女にとって、心の傷でしかないあの暗い家は…今も空き家の状態で、あの場所にあるそうです。