【怪談小話】金縛り

  • 昭和京都の怪談綴りの伏見七狐が金縛りに苦しむ

金縛り。


学校の体育の授業で筋肉痛になった時や、あるいは、休日にピクニックへ出掛けた日の夜など、金縛りという物を体験した方は、結構多いんじゃないでしょうか。
皆さんの身近でも怖い話などでよく語られるこの現象ですが、あまり体験したくはありませんよね。
では、人はなぜ金縛りに合うのか、少し検証してみましょう。

1.金縛りという現象について

ご存知の方も多いかと思われますが、一般的に金縛りは肉体的要因精神的要因が考えられております。
そして特に筋肉が疲労している時に起きやすい現象です。

これはノンレム睡眠(浅い眠り)の状態において、疲労した全身の筋肉が一時的に麻痺しているという状態です。

大雑把に言いますと、「身体は寝ているのに、脳が起きている状態」という肉体的な要因が考えられます。

2.思春期に起きやすい金縛り

この金縛りという現象は、比較的若い人が体験しやすいですよね。
クラブ活動や体育のマラソンなどで、肉体をかなり追い込んだ日、それでも帰ったら塾や宿題、試験勉強などが待ち受けております。

そんな時にウトウトしてしまい、その浅い居眠りの中で金縛りが起きやすい状況が出来上がるわけです。
こう考えると、誰でもなんとなく想像がつくのではないでしょうか。

更にこれは心身のバランスがまだ未成熟である思春期の若者による、その想像力の強さなどが要因として考えられます。

3.金縛りという現象についての考察

これらによって起こった金縛りの状態は、実はかなり短い時間だと言われております。
例えばそれがほんの数秒間の金縛りでも、体験した本人にとってはかなり長い時間に感じているわけです。

つまり半分起きた状態で夢を見ているので、いわゆる「寝ぼけている」という事になります。

しかしなぜ、恐怖体験のようになってしまうのか。

これは、本人は「起きている」という認識であるため、「自分は今、金縛りにあっている」と感じるわけですが、「起きているのに身体が動かせない」という恐怖から、脳はその性質上、自分が怖いと思っている映像や音声を自己再生しはじめるわけです。

つまり、自分で生み出した恐怖体験である可能性がある、この辺りが精神的要因です。
しかしこの「自分が起きていると認識している」という状態は、誰でも1度は体験したことがあるのではないでしょうか。

もしこれを上手く制御できたならば、自分が好きな夢が見れるようになったり、夢の中であらゆる物を思いのままに操れたりするかもしれませんね。

※現在、金縛りのメカニズムについて、科学的には未解明とされております。
まだ諸説が乱立している状況に過ぎず、特に脳が覚醒している状態で身体が就寝しているという事例は確認されているにも関わらず、正確には「金縛りの状態」という1つの状態に対して、それに伴う複数の要因が結び付かないそうです。
科学的に説明されている金縛りとは、また別の金縛りは存在する、、かもしれませんね。

ja.wikipedia.org